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バーズオール、続編を読む

バーズオール『夏の魔法』の続編 The Penderwicks on Gardam Street を読んだ。『夏の魔法』で紹介された一家のその後の物語である。四人姉妹の日常やガーダム通りの近隣の人たちとの生活が、子どもの視点から語られてゆく。父親の再婚問題を中心のプロットとして、とくに長女のロザリンドが驚き、戸惑い、ほかの姉妹を巻きこみながら、父の再婚相手を見つけることで、問題を解決してゆくさまが語られる。

そう、「解決」という表現がふさわしい。前回も指摘したが、この作品は「童話的」なのである。つまり、子どもの葛藤が提示されたとしても、深く心に分け入るような書き方はされていない。目指すは、ハッピー・エンディングなので、物語は、予定調和的にしかるべきところにソフト・ランディングする。それが心地よい。

例えば、ロザリンドを中心に「パパとイアンサくっつけ作戦」を展開する後半部分などは、当然のことながら、すべて子どもの視線、子どもの立場からの書き方がされているので、リアリティに欠ける(おとなの事情もあるだろうに、すべて子どもたちに都合よく事が進む)。あるいは、イアンサのコンピュータを盗み出そうとした男を捕まえた後のやりとりなどは、あまりにも牧歌的といわざるを得ない。こういった場面を疑問なく楽しめるのは、だれだろう?

その点を考慮に入れると、日本語訳の装丁は、おしゃれでおとなしい。YAをターゲットにしているのだろうが、作品の書き方、表現方法から考えると、さらに下の世代を取りこむ本作りを考えた方がよいかもしれない。小学校4年生ぐらいの子どもが楽しめそうなテクストであり、問題の扱い方である。あるいは、21世紀にこういう書き方ができるのかという驚きもある。

とはいえ、今回もテクストは、インターテクスチュアルで様々なテクストが複層していて、興味深い。

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