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『夏の魔法』を読む

ジーン・バーズオール『夏の魔法:ペンダーウィックの四姉妹』(代田亜香子訳/小峰書店)を読んだ。四人姉妹といえば『若草物語』が一番に思い浮かぶが、この『夏の魔法』は、なかなか見事に『若草物語』を下敷きにしている。

ペンダーウィック一家(父と四人姉妹)が大邸宅(アランデル屋敷)のコッテージを一夏借りることになった。その屋敷には、孤独な少年が、母と暮らしていた。その少年と四人の姉妹の関係の構築がストーリーを構成している。四人の少女の書きわけも、うまいと思う。マーチ一家のお隣のローリー少年は、頑固な祖父と暮らしていたが、お屋敷に暮らす孤独な少年ジェフリーは、「めちゃくちゃお高くとまった」母親と暮らしている。この少年と母親との関係が作品の重要なプロットになっている。

『若草物語』がアメリカ市民戦争を時代背景にもち、ハリスの<ヒルクレスト・シリーズ>が第一大戦下のヨーロッパ(特にイギリス)を舞台にしていたことが大きく意味を持ってたことを考えると、この作品では、舞台設定や時代という空気が希薄だったのには違和感がある。これは私自身の思い込みなのかもしれないが、大きなお屋敷の描写や庭造りに執心するジェフリーの母親の生活(ヴィクトリア時代の上流階級の女主人を連想させる)がとても英国的で、しばしば、ここは「マサチューセッツ州だぞ」と自らに確認させたことが数回あった。小説というより童話的な雰囲気を持った作品だと感じた。

『若草物語』ではジョーと類似する、三女のジェーンが物語を通して、自分自身の物語を作っているのが、その作品の内容が物語とシンクロナイズしいるのは、最近のお約束であるかと思う。

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