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中学生のおはなし会

恒例の中学生のためのおはなし会(年度末ヴァージョン)が終わった。秋ヴァージョンが11月で、今回が3月初めのという変則的でタイトなスケジュールだったので、準備期間が思いの外少なかったし、練習も十分とはいえない。練習は十分したいが、かといって、語り手(読み手)がお話しになれてしまうと、新鮮なよろこびが伝わりにくくなることがあるかもしれない。その点の頃合いも難しい。

年度末の放課後という不利な条件にも関わらず(しかも3年生不在)、50名ほどの生徒たちが参加してくれたのではないかと思う。開始10分程まえから、続々と男子中学生がとても楽しげな雰囲気で図書館にやって来た。そのうちの一人が私に気づき「この前来たおばちゃんだ!」と第一声を発した。私と目が合うと、「イヤイヤ、おねえちゃんだ」と言いかえ、その後、「おばちゃん」と「おねえちゃん」を故意に間違えて、ノリノリでリピーターをアピールしていた。「どのお話しがおもしろかったの?」とたずねると「おばちゃん、いや、おねえちゃんの声がよかったから、また聴きに来た」と中学2年生にからかわれる、わしこであった。しかし、開始時間が来ると、率先して「始まるから、静かにしようぜ」なんて声かけをしてくれて、なかなか侮れない男子!

「わらべ唄メドレー」には、複数のノリノリ男子の振りがついたり、合いの手が入ったりの想定外の反応に、私は思わず笑ってしまったのであった。しかし、子どもたちの切り替えも素早く、メイン(長いおはなし)である「三本の金の髪」に入ったとたん、場は静まりかえり、聴き手がお話の世界に入っていたのが手に取るようにわかった。

終了後のざわめきの中で、「黒海ってどこだ?」と数人の中学生(これも男子)が本を探しにやってきたこともうれしかったし(「ソチ[冬季オリンピック開催地]は、黒海沿いにあるんだよとの声かけをした)、大きな声で(というのは私たちに聞こえるようにだと思うのだが)、「命の水」がほしいとか、「若がえりのリンゴ」の方がよいという声もあがって、気の利いた(そつのない)お礼の言葉は言えない男子の「かわいさ」を感じた。そうか、そうか、男ってこんなふうにお礼をいったり、おもしろかったって伝えるんだなと思いいたった。不器用、でも、かわいいんだ。

雪が降り始めるなか帰る途中、また別の男子が声をかけてきてくれた。「僕、今日塾行くんだど…歩いて行こうか、自転車で行こうか迷っているんだ」と。うーん。「風邪ひかないで行ってね」という情けない返答しか出来なかった。

「物語」って、人を結びつけるんだ! ありがとう。

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