スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

映画「蝉しぐれ」

月曜日、仕事終了後、渋谷経由で品川まで出て、「品川プリンスシネマ」で「蝉しぐれ」をHさんと鑑賞。

映画として評価すれば、それほどひどい出来でもないだろうが、藤沢作品『蝉しぐれ』を読んでいる私には、どうしても作品と比較しながらの鑑賞になるから、きびしい評価になってしまう。

まず、長編小説を2時間程度の映画に仕上げてしまうことで、作品が表層的になってしまった。こぼれ落ちてしまうものが、あまりにも多いのである。小説では、不遇の時代の文四郎が、剣にうちこむことで、自己を鍛え、成長の糧としている姿が印象的であったが、そのあたりの描写がほとんどなかった。

また、少年時代の文四郎やふくと青年期以降の彼らのイメジのギャップが最後まで残ったのも残念であった。染五郎や木村佳乃の凛とした気品が、少年時代を演じた役者からは感じられなかった(染五郎の所作はさすがに美しかった)。ふかわりょうの逸平、今田耕司の与乃助にもびっくりした。与乃助は、てっきりふかわだと思いこんでいたからだ。文四郎の少年時代は、柳楽くんのような鋭い孤独感をたたえた子がよかったなぁ。

四季折々の美しい映像を、との意気込みは感じられたが、そのヴォリュームの多さが、作品を感傷的にしてしまっていたようだ。確かに映像はきれいだったが。

上映中、やけに思い入れている観客がすぐ後ろにいて、拍手をしたり、大きくうなずいたりしていた。「どこのおっさんだ!」と思いながら観ていたのだが、明るくなってみると、ヤツは20代の若者であることが判明。しかも彼は、最後の場面では10数分にわたって、感動のあまり、今にも号泣しそうな雰囲気で泣いていたんである。ちょっとしらけた私たちであった。

映画としては「たそがれ清兵衛」の方が出来がよかったと思う(岸恵子の登場とあのキンキン声でのナレーションがいただけなかったが)。こちらのベースは短編小説なのである。したがって、映画としてふくらんだといえるだろう。なんといっても印象的だったのは、清兵衛が暗殺した男の死にゆくさまが、まるで「舞踊」を観ているように美しかったことだ。

コメントの投稿

非公開コメント

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

月別アーカイブ

最近のコメント

プロフィール

わしこ

  • Author:わしこ
  • 無断転載ご遠慮ください。
FC2カウンター
最近の記事
カテゴリー
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。