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松本祐子『八分音符のプレリュード』

『八分音符のプレリュード』(松本祐子/小峰書店)を読んだ。あっという間に読んでしまったので、新しい本でなくてよかったとしみじみ思った。ユーストで251円ならば、コスト・パフォーマンスとしても良しとすべきだろう(ブック・モービルは2週間に1回しか来ないし、図書館にいったとすれば、バス代がかかるし…。困るのは置き場所)。読者対象はYAで、リアリスティック・フィクションである。設定にリアリティがないけれど、なぜリアリズム作品か、と問われればこう答えたい。

リアリズム作品が前提とする「ミメーシス」から逸脱していようとも、その逸脱をとりまく登場人物の行動や感情にリアリティがあれば、読者は物語世界を自分のものとして構築できる。現実とは乖離した都合のよい展開の中であっても、現実的な人間関係が作りだす物語は、説得力をもって「本当らしさが顕れるのではないかと思う。

「課題図書」と印刷されているのに、2008年9月初版、2009年4月第2刷りというのはどうなんだ。売れてない? 

その前には、ジョーン・バウワーの Close to Famous を読んだ。こちらもアメリカのYAで、比べてみると、作品に描かれる状況はこちらの方が厳しい。主人公はディスレクシア(難読症)。母親の恋人からのDVを逃れてたどり着いた小さな街で、自分たちの生活を取り戻そうとしてゆくお話。こちらの設定も、「そんなのあり?」と思わせながらも、その中でくり広げられるドラマにはリアリティがある。「カップケーキ」を作ることとそれが意味することが物語の中心を貫いている。しかし、PB版表紙のアメリカ的彩りのカップケーキには魅力を感じなかったのには残念。パフィン・ブックスの表紙ってセンスないなと思うこと、しばしば。

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