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あさのあつこのおとな向け作品

あさのあつこのおとな向けの作品がどうも読みにくいし、面白味に欠けるという印象を持っている。例えば、『弥勒の月』についていえば、感情移入がしにくいのである。たぶん、作品中の心理描写に違和感があり、ついてゆけなくなってしまうのだ。「読みにくい」「面白味に欠ける」とういう印象が、確信に変わったのは、三浦しをん、近藤史恵、あさのの3人で、同じテーマ(フルマラソンに挑戦する主人公を描く)を扱った『シティ・マラソンズ』を読んだからだ。

『シティ・マラソンズ』に収録されている「フィニッシュ・ゲートから」は、改行の多い文章でテンポ良く進んでゆく。しかし、そのテンポの良さから生まれるギャップや主人公の独白、心理についてゆけない。頭では「主人公は……なんだ」「……ふうに感じているのだ」と解るのであるが、それは、メタ読者としての自分が理解していることで、作品を堪能したいという「もう一人の」読者を満足させてはくれない。

書き手としてのあさのあつこは、内包する読者に向かって作品世界をくり広げていて、「作者の内包読者を意識している読者」はその道筋にしたがってゆこうとするが(そのように読んで欲しいという作者の意識が理解できるから)、本来の読者はそこでおいてきぼりを食うのである。残念。

あさのがおとな向けの時代小説をかくエネルギーの一つには、藤沢周平への思いがあるらしいが、それはそれとして、『バッテリー』のような少年たちの姿をまた見せて欲しいと思う。

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