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3年生の「読み聞かせ」

「うう、暑い!」と心のなかで罵りながら、日陰を選んで歩いてほぼ10分、小学校に到着した。教室はザワザワしていて、椅子も机もまだ下げられていない。若い男性教師が「机を下げて」と声を張り上げていたが、業を煮やして手伝い始めた。この時点で教室に入り、「よみきかせ」の準備をした。

先生にごあいさつし、「このクラスは元気がよいですね(やかましい)」と伺うと、「元気がいい(やかましい)けれど、お話は大好きです」とのこと。確かに、絵本を取りだすと、ざわついていた教室が次第に静まり、読みはじめると、ピーンとした緊張感がただよい、絵本に集中しているのが解った。

1冊目は、『みんなおなじでもみんなちがう』(福音館書店)。画面は小さいけれど、次々に現れるさまざまな個体のすがたに目を見張る子どもたちが活き活きしていて子どもらしい。「さくらんぼ」のところで、「この種類は何か知ってる?」とたずねたところ、意味が伝わりにくかったらしく、とんちんかんな問答があった。最後のモミジの場面では「落ち葉!」と大きな声をあげた男の子がいたが、なるほどそうとも言える。葉っぱは色づいて落ちてくるのだから。

始まりが少し遅かったため、2冊目は『ぜったいたべないからね』(フレーベル館)を読む。「えだみかん」「あめだまみどり」をすぎると、次は何が出てくるのだろうと期待感を持っているのがよく解った。内容的に3年生にはやさしいかも知れないが、「おにいちゃん」の視点で、読者にむかって直に語りかけてくる姿勢はなかなか効果的であるように思う。この「妹の嫌いなものをどうして食べさせたか」という事の次第を告白する文体は、読者を共犯者へと引っ張り込むのである。

「くもぐちゃらん」「まんげつぶちゅっと」という言葉に「?」という子もいて、「満月がぶちゅっとなるのよ」とこちらが言うと納得したようだったが、日本人には「満月は赤い」という感覚はないので、この表現はわかりにくかったのだろう。むしろ「おひさまぶちゅっと」「たいようぶっちゅと」って感じだ。意識の深いところでは、私自身もそう思っていたに違いないのだが、こうして、声に出して読み、子どもたちとわかちあうことで、隠れていた意識や疑問が引きずり出されてくる。

「次はもっと楽しい本を持ってくるね」といって教室をあとにしたが、最近は読み聞かせの回数が減った分だけ、同じクラスに2回入る事が困難になり、ごくごく初歩の信頼関係をとり結ぶことも不可能で、選書にも大きな影響が出ていると痛感する。

隣のクラスのボランティアさんが、「夏休みにはみなさんたくさん本を読んでくださいね」という言葉で「読み書かせ」を締めくくっているのが聞こえたが、そんなこと言っていいのかとチラりと感じた。そういうのは教師の役目。私たちは「物語のよろここび」を伝えるための存在だ。

私は自分の教えている学生には、結構しつこく(たぶん)、お勧め図書リストを作成の上、「本を読んで!」というが、何もなしに、ただ、ただ「本を読んで!」という発言には疑問を持つ。そういうメッセージを伝えたいという気持ちはわかるが、ボランティアの発言としては無責任ではないか。その前にやるべき事があるのではないかと思う。

本当は『きつねにょうぼう』(長谷川摂子再話/片山健)を読みたかったのだが、直前のリハーサルで観客の夫に、「少し練習が足りない。噛んだところがある」とのダメを受け(夫の前では緊張する!)、断念した。歌も作ったのに…(涙)。絵も暗めで見にくい場面もあったしね。

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こんにちは、1年生の息子のクラスにも月に1度、読みきかせのお母さんが読みにきてくれます。先日は『めっきらもっきらどおんどん』でした。そのときは何も言わなくても、家で反芻するんですよね。私は読み聞かせの日だと気づいていなかったのですが、「めっきらもっきら~」と急に言いだし、私は一緒に読んだことがなかったので気づきました。おたからまんちんとかしっかかもっかかとか話せるのは楽しいことでした。ボランティア、広い意味でありがとうございます。

子どもの文学

宏枝さま:コメントありがとうございます。私は、基本的にある年齢までの児童文学はとくに「声の文学」であると思っています(文学自体も声の文学の要素はあるものの、最近ではそのへんが忘れられているように感じています)。ですから、絵本や物語を声に出して読むことを大切にしたいと痛感しています。「声に出す」と日本語の良し悪しが意外にはっきりわかります。ごまかせません。おもしろいものですね。そんなわけで、小学校での絵本や物語の「わかちあい」は大切な学びの場です。

お話を楽しんで、活き活きとした表情を見せてくれる子どもたちには心から感謝をしています。だって、もうおとなの学生の反応は素直に外に出てこないことが多いんです。

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