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魔女と魔法使いの物語

このところずっと魔女と魔法使いの物語を読み進めてきた。昔話には魔女が数多く登場する。例えば、グリムの中の魔女(Hexe)を調査した野口芳子さん(『グリム童話と魔女』/勁草書房)によると、「…二〇話が女性、五話が男性ということになり、約八割を女性、二割を男性が占めていることになる。これは現実の魔女裁判での犠牲者の男女比とほぼ一致している」ということである。しかし、この二〇話の中には「ラプンツェル」は含まれてはおらず、この話は魔女以外で魔術を扱う「女の魔術師」(Zauberin)に分類されている。また、「ホレおばさん」は「魔女」にも「女の魔術師」にも分類されていない。

「ラプンツェル」も「ヘンゼルとグレーテル」も「ホレおばさん」も「魔女(witch)」として考えたいと思っている私には、この著作については学ぶところ大であるが違和感も残る。名称で分類が難しいのであれば、役割で分類してみてもよいかもしれない。すると、羽布団を振ると雪を降らせる力を持つホレおばさんは、魔法的な力を持っているという点では「魔女」かもしれないが、自然を司る(雪を降らせる)という点に注目すれば女神の流れをもつ存在である。

つまり、かつては豊穣の女神や人間の守護神として崇拝の対象であった存在が、キリスト教の普及によって「魔女」として周辺に追いやられ、処罰の対象になっていった歴史が窺えるのだ。「悪い」魔女の対極には「マリア」がいるのだろう。

魔女というのは多様な存在であるために、ぬらりくらりと定義の枠からすり抜けてしまう。歴史的にも文学的にも、魔女というのは周辺的でアナーキーな存在で、つねに権威に挑戦してしている。その点で、魔法使い(wizard)よりずっと魅力的にも思われる。そういう意味では、悪い魔女の呪いを解くような「よい」魔女のお話は、おもしろさに欠けるように思う。

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