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ヴァジニア・ハミルトン

雑誌『ネバーランド』第4号が「ヴァジニア・ハミルトン」を特集している。残念なことに、私は彼女の作品を心の奥深いところまで受けとめることができないでいる。論理的にというか、頭で理解し、読んでいるような気がずっとしていた。だから、ハミルトンについて、熱い思いを語れる人の前では、つねに劣等感にかられていた。ハミルトンを心の深奥で理解し、読みたいと思う。

鈴木宏枝さんの「『マイゴーストアンクル』再読」論は、そんな私に、もう一度ハミルトンの世界に誘ってくれるほどの力を持っていた。鈴木さんのハミルトンに対する溢れんばかりの愛情が感じられ、しかし、それでいて情感におぼれないで、的確に分析した力作だ。日本語も美しい。

丁寧に言葉を選びながら筆者が語るハミルトン作品の特徴(「登場人物や事象に強い象徴性が包含され、現実と非現実とが強烈に混交している」p114 、「[前半期の作品は]日常と超現実が激しくぶつかりあい、その中で、民族集団の過去や歴史にふれた子どもの生をより高いところに引き上げるものであった」p115 、「子どもの生のリアルな状況にエキセントリックな登場人物や超自然的事象が重なり合い、混沌としたところに生まれる力強さ」p124-125 )は、誠実な読みに支えられてのものだからこそ生まれるのだということを実感させる。こうした、冷静でありながらも、作者に深く共感する読みから導きだされる『マイゴーストアンクル』論を読むと、表層的な言葉でしか語れないものとのあいだに、大きな差異が生まれる。言葉を「私が」が発することは、言葉への責任と誠実さがなければいけないのだとの岡本夏木さんの言葉も想起される。

悲しいかな書誌と伝記がごちゃごちゃになって読みにくい。きちんとしているものだけに残念だ。特集以外には、谷田恵子「サンボとサム:『ちびくろサンボ』復活に思う」、灰島かり「進化する赤ずきんたち」、渋谷やみぃ「カニグズバーグをめぐる冒険」など。しかし、この雑誌いわゆる「目次」がないので、目的の記事を探しにくいことおびただしい。

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