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絵本から物語へ

小学校の子どもたちと絵本をわかちあうことは、楽しいし、意義のあることだと思う。しかし、「読書」や「自発読書」の称揚という観点から考えると、「絵本の読み聞かせ」から「読書」には簡単には結びつかないことが解る。それは、大学生を見ていても解ることである。授業を受けて絵本の面白さや深さに感銘したといって、「最近は絵本売り場によることが多くなりました」ということを伝えてくる学生は多いが、「昔話を読んでいます」「物語の面白さに圧倒されました」というのはあまり出てこない。

というわけで、「読書」への橋がかりを作るために、ボランティアに出かけている小学校で、ある試みをすることにした。私が関わっている小学校の1年生の「読み聞かせ」は、7月から始まるが、なるべく「自発読書」を促すようなプログラムを考えて、「おいしいおかゆ」などの「語り」(声の物語体験)もプログラムに入れてきた。それをさらに発展させるために、『エルマーのぼうけん』を、リレー形式で(ひとりが同じクラスに入れないため3人で)、週1回読むことにしたのである。全てを読むことができればよいのだが、行事などがあって連続して時間がとれるのは3回だけということもあって、3回にわけて、「エルマーライオンにあう」までを読むことを目標にした。お話に入ってくれれば、子どもたちが自分で読めなくても、先生に残りを読んでもらうということも視野に入れての試みである。

先日、3人が集まって、うち合わせと練習をした。三人三様の「エルマー」であるが、よいこととしよう。また、絵の得意な、KSさんが「みかん島」と「どうぶつ島」の地図を描いてくれ、また「エルマーの持ち物」も大きな紙に書きだした。

物語の枠組みを作る導入の2章は、大人数の子どもたちに、声に出してよむと冗漫になってしまうことを危惧して、5分半ぐらいにまとめた。もちろん、エルマーの持ってゆくものを羅列するところは活かして、何とかテクストを作ったのは私である。「声に出して読む」ことを前提にして、日本語テクストを検討してゆくと、問題も出てくる。例えば、「出帆」という言葉は、一対一で読んでいる場合には問題ないだろうが(聞いている子どもが解らなくても、読んでいるおとなにたずねることだってできるから)、クラス単位での読み聞かせとなると、配慮すべきであろう。気になる表現もあるので、結局、マゾンで原書を手に入れた(ついでに、『アクセント辞典』も買ってしまった。ボランティアって身体だけでなくお金もかかるのね)。

原書を読んでびっくりしたのは、エルマーというのは、語り手である「ぼく」のおとうさんのことで、原書の第一巻目は、「my father云々」というのがしつこいほど出てくる。また、タイトルもMy Father's Dragonなのである。これについては、後日、じっくり考えたいと思う。

金曜日に第1回目をKSさんが担当した。ちょうどその日は授業が休講で、「読み聞かせ」当番はなしにしていたのだが(久しぶりに朝寝を楽しもうと思っていたのである)、子どもたちの様子を見るために、私も教室のうしろで聞かせてもらうことにした。みんなはじめから、熱心に聴きいってくれていたが、冒険に出発するまでは何となく身体がゆらゆらしていた子どもたちが、冒険が始まると、身体のゆらゆらがピタリと止まったのには驚いた。口をあんぐり開けて聴きいっている子どもたち、身を乗りだしてお話に入りこんでいる男の子たちの姿がうれしかった。

来週は、私の番である。地図は子どもたちにじっくり見てもらいたいと考えて、教室に貼ってもらうように先生にお願いした。地図を見ながら、お話を思いだしたり、これからどうなるだろうと、想像力を働かせてもらえたらいいなと思っている。

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NoTitle

わくわくしますね。
私も学校で、絵本の読み聞かせばかりでなく、物語の連続読み聞かせをしたいと長年思いながら実行できず・・・・

私なりに実行できるよう 見習いたいと思います。 

Re: NoTitle

『エルマーのぼうけん』は最後まで読むことになりました。訳者の渡辺さんには申し訳ないけれど、「声に出して読む」ためには日本文を大幅に見直す必要があり、その作業が大変です。しかし、「読むためのテキスト」ができるということは大きな財産になります。

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