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栃木子どもの本サマースクール

8月20日、21日と栃木(宇都宮)に出かけてきた。夫が栃木子どもの本サマースクールの講師によばれたからだ。講師には長田弘さん(詩人)、木坂涼さん(詩人・翻訳家)、児童文学作家の岡田淳さん、木村裕一さん、イラストレーターの野村たかあきさんなどが招かれていた。嫌がる夫を説得してなんとか連れて行ってもらうことに成功。私は、長田さんと木坂さんに是非お目にかかりたかった。21回を数えるこのサマースクールの今年の統一テーマは「ことばと本の力」である。

20日の基調講演は長田弘さんによる「ことばからはじまる」。長田さんは、いま、声に出すことばに注目が集まっているが、「口にだす」ことで忘れ去られてしまうことがあるのではないかと、まず、私たちに問題を投げかけた。声に出すだけでは、ことばは成立しない。ことばを発する人がいるというのは、そのことばを受けとめる人、沈黙する人がいるということである。いま「ことば」の視野のなかから、受け手への認識がもれているのではないかとも語られた。

言葉には「沈黙」が必要であるとの長田さんの発言に、私はしきりに『影との戦い』(ル=グイン/岩波書店)にでてくるオギオンの言葉を思い出していた。弟子になりたての意気盛んなゲドにオギオンは「聞くためには沈黙してなくてはならぬ」と諭す。

また、無言を書きとり、沈黙を映しとるのが言葉であり、自分たちの前にあり、自分たちの後ろにある人の連なりを伝えるのが言葉である、というお話だった。詩人の言葉は難解でどこまで理解できたのか心もとないが、つねに自分の意識のなかにしまいこんでおきたい言葉たちとの出会いだった。

基調講演のあとは、そのまま長田さんの分科会に参加。分科会のテーマは「読書とは本に親しむこと」。これも「本」という文化をトータルに捉えることの大切さを、さまざまな事例をあげてお話くださった。最後に、参加者の質問に答えて、子どもの詩の選者としての経験談もとても興味深かった。『あいうえおだよ』には著者のサインをいただき(なんてミーハーな私)、この絵本で気になっていたこともお尋ねすることができた。

二日目は、木坂さんの分科会「ことばをみつめて」に参加。ウィリアム・スタイグについてはこのブログでも何回か触れているが、木坂さんはスタイグの作品をたくさん訳している。詩人として、絵本作家として、翻訳家としてのご自身のお仕事を紹介してくださりながら、子どもと子どもの本に真摯に関わる木坂さんの一面がうかがえ、貴重な時間をいただいた。

かつて、山形県のC小学校にもっていった3冊の絵本のうち2册は木坂さんの訳だったことに気づいてびっくりしたことがある。英語読みの悪い癖で、ちょっとひっかかると「原文はどうなっているんだろう」と気になって、オリジナルを確かめずにはいられない私だが、あらためて点検したら、日本語がまったく気にならなかった訳者が3人いたことを先日発見した。木坂涼さん、長田弘さん、谷川俊太郎さんだ(瀬田貞二さんは別格です)。このうちのお二人にまみえるだなんて、ほんとに私はしあわせな体験をしたことと、にこにこしている。

帰ってきて、一番にしたことは、気になった絵本や作品をさっそくアマゾンに注文したこと。会場でも、ずいぶんと本を仕入れてきたというのに、、、。

それにしても、実行委員のみなさんのエネルギー、心くばり、バイタリティに敬意を表し、心から感謝します。

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