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秋学期へのリハビリテーション

秋学期の始まりと前後して、学祭の「ミニレクチャー」やら読み聞かせボランティアの学習会、朝暘一小、朝暘三小での授業が予定されているので、ぼんやりばかりはしていられない。これへの準備が、秋学期に向けてのよいリハビリになっている。

「オズボーンコレクション」について調べてゆくうちに、私も執筆者のひとりとして関わった本の記述にかなり重要な事実誤認を見つけた。それは、トマス・ビュイックの『新年の贈りもの』(1777)に関する記述である。これは、31枚の図版が収められている小さな本で、なにか一貫した物語があるのではない。しかし、「シンデレラ」「長靴をはいた猫」「赤ずきん」から採られたと思われる図版が10数枚収録されている。

『新年の贈りもの』の項目を執筆した人は、「シンデレラ」の図版を読み取れなかったようで、「シンデレラ」に関する記述もなく、シンデレラが靴を試している場面、逃げて行くシンデレラを王子が追いかけている場面をそうとは読んでいない。確かに、本そのものも小さいので(9㎝×9㎝)、絵は読みとりにくい。しかし、この作品についての若干の情報があれば、「シンデレラ」の場面を特定することは困難ではないだろう。残念だ。

もちろん、1777年に出版されたものを手にすることは日本では不可能なので(実物に興味のある方は、トロントにあるオズボーンコレクションを訪問下さい)、私が手にしているものは、ほるぷ出版の「復刻世界の絵本館:オズボーンコレクション」(1979年)である。この復刻版は、内容、色調、判型、装丁などあらゆる面にわたって正確に実物に近づけようと意図されている。そのため、印刷のかすれなどもそのまま復刻されている。そこがあだになったのだろうか? いずれにせよ、研究対象に向かってはあくまでも丁寧に真摯に立ち向かわなくてはいけないということを改めて感じさせられた経験で、気がひきしまる思いである。

ところで、やはりこのコレクションの中にあるジョージ・クルックシャンクの『親指太郎と七リーグぐつ』(1853)をみると、当時の「昔話の再話」に対する姿勢が垣間見られておもしろい。これがなんと、「とんでも再話」とでも呼べるようなもので、本文中に堂々と自社の宣伝までしているのだ。

そういえば、『あらいぐまとねずみたち』(福音館書店)でも、画家の遊びとして、よく知られている絵本や絵本の登場人物がさりげなく描きこまれていたことがあったことを思いだした。しかし、クルックシャンクのものは、またそれとは趣が違う。チャンスがあれば、一見されたし。

※画家の遊びで、絵本や絵本の登場人物が描きこまれている例は『あらいぐまとねずみたち』だけではないけどね。面白い発見があたら、教えて下さい。

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