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『王のしるし』原書読書会

5月から月2回で始めたThe Mark of the Horse Lord 読書会は、昨日6回目を終了し、ようやく3分の1のところまで辿り着いた。1回1章(10ページちょっとか)を目標にしているので、時間はかかるが達成感は大きい。ランチをはさんで5時間ぐらいの学習会だ。

サトクリフの英語は描写が緻密で、情景描写などを読み解くには、読み手の想像力を丁寧に働かさなくてはならないので、いい加減に読み飛ばすことはできないが、その作業が楽しいのである。また、この作品は、サトクリフの傑作であるとの評判が高いが、残念ながら私は未読であり、日本語訳を読もうにも、品切れ絶版状態である(○マゾンのユーストでは、5000円からの値段がつけられている。もちろん、図書館では所蔵しているのだろうが)。というわけで始めた読書会である。

英語を読むこととそれを翻訳して商品にすることとは違うのだなぁ、と感じさせられることもある。例えば、馬族の王、マイダーになりすました元剣奴フィードラスが、マイダーの従兄、コノールと「再会」する緊張感にあふれる場面では、コノールのペットらしきヤマネコが効果的に使われている。

The young man made a sound to it, and the thing rippled and arched itself into swift, sinuous life, became a wild cat, poised and swaying for an instant on his shoulder, and leaped lightly to the floor, advancing beside him with proudly upreared tail, as he came forward to take his place among the rest.

コノールの首に巻かれていた「襟巻き状のもの」がヤマネコであり、それが、彼の合図で、たちまち命を帯び、「モノ」から「ネコ」になる様が丁寧に描写されている。

<若者が合図すると、それは、波打つように動き、あっという間にヤマネコにもどった。ネコは、若者の肩の上でのびをすると、軽々と床に飛び降りて、誇らしげにしっぽをたてて若者とともに進んだ。若者は自分の仲間に加わった>とでも訳せばよいのだろうか、いずれにせよ、これでは翻訳にはならないだろう。おそらく、もっとすっきりと描写されるに違いない。しかし、これほどまで緻密に書かれている原文を丁寧に読みほぐしてみると、「ネコ」があるためにこの場面がいきいきと顕現して、コノールの存在が緊張感をもって大きく語られていることがわかる。

当分、サトクリフからは離れられないだろうという気がしている。とにかく、じっくり丁寧に読む読書会はワクワクする。



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