スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

大阪府立国際児童文学館

財政の大幅な削減を謳い文句にさまざまな改革に乗りだしている大阪府の橋下知事が、「大阪府立国際児童文学館」の廃館を決断した事を知った。当該館の事業を府立中央図書館に移転することによって運営の効率化を図り、さらに類似施設や代替施設でその事業を補完するという意図があるようだ。

しかし、国際児童文学館で行われてきたさまざまな事業が、図書館などで肩代わりさせることができるという知事の見識、判断そのものに多くの識者が疑問を投げかけているのは衆知のことである。今回の知事の決断はそのような疑問や批判に答えていないとの評価も当然ある。大阪府立国際児童文学館は、図書館ではなく、図書館的機能を有した資料館と考えるべきであり、橋下知事はこのあたりの点についてまったく理解できていないように、私にも思われる。現在収集されている資料の70%は「寄付」によって賄われているというし、もともと、児童文学館の核となった膨大な資料は個人(鳥越信氏)のものである。

国際児童文学館に大阪府の財源が年間2億円使われているというのは事実であるが、予算の半分近くの寄付や寄贈があることも忘れてはならず、いわば官民共同で運営されてきたといっても良い。また、図書館ではまったく期待できない出版社からの寄贈があるというのもその大きな特徴であろう。出版社が寄贈を行ってきたのも、自社の出版物が「児童文学(児童図書)コレクション」として整理、保存されることが期待できたからであろう。つまり、大阪府立国際児童文学館に所蔵される資料やその核をなすコレクションに関しては、大阪府のものであって大阪府のものではないともいえるだろう。

だから府民の「税金」を使いたくないという発想も生まれるのだろうが、いままでコレクションを維持してきた責任や意義についてもう一度深く考えて、再考していただきたいと心から思う。資料の収集、整理、保存は継続して行うからこそ、その資料が「生きて」、意義がある。失われてしまったものを回復することは不可能である。

そういえば、「オズボーンコレクション」で名高いトロント公共図書館にも同じような問題が起きた事を思いだした。やはり、直接住民に寄与しないコレクションをトロント市として維持すべきなのかどうかという点が問題にされて、一時は「オズボーンコレクション」存続の危機の声も聞こえてきたことがあった。幸い、「オズボーンコレクション」はほかのコレクションとともに、トロント公共図書館「リリアン・スミス分館」に保存されて、世界各国から閲覧者を受け容れている。

折しも、2010年が「国民読書年」として決議されたことを知ったが、「子ども読書年」とか「国民読書年」、また、「子ども読書推進法」や「文字・活字文化振興法」といった一見華々しいバルーンをあげるのも結構だが、「府」がたいへんならば、「国」や「市」で援助できるシステムをつくって、地味に活動してきた組織を援助していただきたいものだと思うのである。

コメントの投稿

非公開コメント

こんにちは

面白かったです!またきます。

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

月別アーカイブ

最近のコメント

プロフィール

わしこ

  • Author:わしこ
  • 無断転載ご遠慮ください。
FC2カウンター
最近の記事
カテゴリー
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。