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声に出して絵本を読むとき

E=ラーニング大学での授業(メディアスクーリングと呼ばれるpcを使って配信する授業。もちろんリアル学生も受講できる)後の反省会(軽く飲みながらの食事+おしゃべり)の時、私が何回か『うえきばちです』を子どもたちに読んでいる事を知っている受講生のひとりから、「どうよんだらいいのか」という質問が出た。

もちろん、どんなものでもテクスト通り読まなくてはいけないのは原則である。しかし、場合によっては、若干修正を加えたほうが、とくに多人数での「読み聞かせ」の場合には、さらに効果をあげることもある。おそらく多くの方は、ご自身のお子さん(とくに小さいお子さん)に絵本を読んいる時、「テクストにない語りかけ」を無意識でやっているころだろうと思われる。言葉の獲得期の初期段階にある子どもたちには、テクスト通りに語るだけでは、わからない事もある。そのため、場合によっては「同じ言葉のくりかえし」が必要なこともあるだろう。一対一で読みあっているときは、読み手は直感的に子どもの様子を理解できるし、すぐ対応できる。また、著作権的にも著者に敬意を払うという意味においても、個人の場合は問題にされることはないだろう。

しかし、「公の場」で読む場合には、やはり考慮が必要であろう。したがって、画一化して、「テキスト通り読まなくても良い」とはいえないところが難しい。一作、一作検討すべきである。とはいえ、私のいままでの経験から、比較的幼い子ども向けの絵本(とくに画家がことばをつけている場合)では、テクストを修正したり読み方を工夫したほうが、よりその絵本の「よろこび」の度合いが増加し、絵本の世界が深く共有できるという印象を持っている。

例えば、『うえきばちです』では、「め」「は」「はな」などの同音異義語の面白さが中心になるので、とくにテキスト通り読むより、「くり返し」を使って「読み方」を工夫したほうが楽しめるだろう。私は、たいてい次のように読む。

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まいにちみずをやっていたら、「芽?」がでました。(ポーズ) 「目」が出ました。(納得) 「葉?」が出ました。(ポーズ) 「歯」がでました。(納得)

そして「みみ、みみ、みみーっと」「け、け、け、けけけけけ/けけけけけけけけけ、けっ、けっ」の部分を二回読む。

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この読み方は、子どもたちと絵本をわかちあっているときに、直観して、反射的に出てきたものである。このような「場」こそ、絵本をわかちあうときの醍醐味ともいえるものであって、「け、け、け」とくり返しながら、ゆっくり子どもたちの表情をうかがうと、彼らはほんとうにいい顔をして絵本の世界に入りこんでいることがわかる。

ここに紹介したのは私の読み方であって、みなさんがそれぞれのときに、「場」を作りだせばよいのだと思う。著者に敬意を払いつつ、このレベルでの「読み」は許容範囲ではないかと思うが、何よりも大事にしなくてはいけないのは、子どもたちに「絵本のよろこび」を伝えることであるという意識であろう。

いま、私が、それぞれに論理的に説明できる理由をもって意識的にテクスト通りに読まない作品は、『てじな』、『しりとりのだいすきなおうさま』、『ありがたいこってす』(常体から敬体に)、『バスラの図書館員』(明らかな誤訳を直して)などである。「感覚的に受けつけない」だけでは、読み方を変えるべきではないと思うし、もし、「迷い」「不安」があるならばテクスト通り読むべきであると思う。「公の場」では細心の注意を払った上での読み手の深い学びの結果としての「読み聞かせ」であってほしい。

ところで、反省会では当然のことながら、「あれ」は一滴も口にしてませんので。

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工夫する大切さ

なるほどと思いながら拝読いたしました。明らかに子ども受けのいい絵本ですので、たびたびナンセンスのジャンルとして使わせていただいています。
そろそろ私の読み聞かせも始まるようなので、これを念頭に入れて練習をしてみようかな。

しかし、反省会は「あれ」抜きですか。なんともさびしや・・・。体調は大丈夫ですよね。こちらのほうが心配になりました。

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