わしこの読書日記

子どもの本や絵本について研究しているわしこの読書日記と身辺雑記。

岩村暢子『普通の家族がいちばん怖い』

岩村暢子さんの『普通の家族がいちばん怖い』(新潮社)を読んだ。副タイトルに<徹底調査! 破滅する日本の食卓>とあるように、230世帯への「正月とクリスマスの食卓」の聞き取り調査をまとめたものである。

18歳と14歳の少年が、サンタクロースに自分のほしいものを伝える手紙を書くという冒頭のエピソードを読んで(手紙を書く彼らは、おそらく母親の「ノリ」に一緒にノッて、ちゃっかりプレゼントを貰っているのだろうが)、まずびっくりさせられたが、このびっくりは最後まで消えることはなかった。むしろ、読み進めるうちに、ここで紹介される母親の姿勢や子どもたちとの接し方に、違和感を覚え、最後には、怖くなった。いったい、これが現代日本の普通の家族というのであれば、たしかに私たちはおかしくなっていると、暗澹たる気分になってしまった。

中高生でもサンタクロースからプレゼントを貰うというのは、例外ではなく、そこには中高生になっても「サンタからプレゼントをあげたい」「[サンタを信じる]夢を持ってほしい」と願う両親(とくに母親)がいるからだという。

なぜなのか? 岩村氏は、母親への丁寧な聞き取り調査や食卓の写真から、母親たちの「幻想」を明らかにし、みせてゆく。現代家庭のイベント化されたクリスマスやお正月の食卓から、いま起きつつある、家族の歪みをえぐりだしている。「家はこんなにひどくない」と思う人もいるだろう。しかし、すべてには当てはまらなくとも、どこかで、思い当たることがあるはずだ。そして、その「思い当たること」の深層には、「家族の幻想」に囚われ、表面だけの「理想の家族」にしがみついている人びとが見え隠れしている。

*Comment

キニナリマス! 

わしこ先生、こんにちは。この本、新刊なのですね。とってもキニナリマス!レポートが終わったらぜひ読みたいです。
  • posted by ゆきな 
  • URL 
  • 2007.11/13 11:36分 
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ゆきなさま:コメントありがとうございます。今は『変わる家族変わる食卓』を読んでいます。これは、岩村さんの前作です。「えーっ」と「やっぱり」のくり返しです。
  • posted by わしこ 
  • URL 
  • 2007.11/14 06:32分 
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