わしこの読書日記

子どもの本や絵本について研究しているわしこの読書日記と身辺雑記。

ちいさな人たち

「子育てサークル(2歳児)」の運営委員をしている方にたのまれて、「絵本について」のお話をしてきた。会場には、15人ぐらいの2歳児とおかあさんたちが集まっていた。10月に2歳になった人をみんなの歌でお祝いしたあと、座談会のように丸くなってお話をした。

こんなにたくさんの2歳児を見たのは、たぶんはじめて。あたりを走り回る子、泣きわめく子、お母さんにひっついて離れない子、私のことが気になって寄ってくるのに、こちらが近づくと逃げる子、「ガン」を飛ばす子、ごろごろしている子などなど、わめき声や鳴き声やおしゃべりのなかでおかあさんたちに話しはじめた。

2歳児にとっての「絵本」はまだまだおもちゃであること。この時代の子どもたちにとって、もっとも大切なのは「愛情ある身近なおとな(おかあさん)の声と言葉」であること。日常の言葉は、指示、命令、禁止など「おとな目線」「保護者目線」から出てくるものがほとんどであるから、「絵本」や「わらべ唄の言葉」を大事につかって、楽しんでほしいことや、発達段階にそった絵本の特徴を実際に確かめていただいた。

それではと、『ごぶごぶごぼごぼ』を読みはじめると、ちいさな人たちは、わらわら私のまわりに集まってきて、じっと耳をすませて、一つ一つの言葉に反応し、笑ったり、絵に見入ったりした。最後の「しー」のところでは、すっと静かになった。非言語的ではあるけれど、日本語の響きを受けとめたちいさな人たちと私は、絵本の言葉を通して心がつながったような感覚をもらった。ちいさな人たちは、「絵本を読む私」は受け容れてくれたのであった。「もっかいよんで」のリクエストが繰りかえされたのもうれしかった。

とくにくいつきがよかった絵本は、『がたんごとんがたんごとん』『とまとがごろごろ』『でてこいでてこい』『ごぶごぶごぼごぼ』(以上福音館書店)、『たべたのだあれ』(文化出版局)である。『がたんごとんがたんごとん』や『とまとがごろごろ』などはすでに絵本の中に「物語」を読むことができる。

ところで、始まる前、私に鋭いガンを飛ばしていた男の子は、絵本を読みはじめると、こちらににじり寄ってきて、先ほどの「目つき」をすっかり変えて、楽しんでくれた。

また、是非、図書館を利用してというお話もしたのであるが、お母さんたちの反応は「いまいち」だった。自分自身が図書館の利用者でなければ、子どもをわざわざ図書館には連れて行かないのだということが、よく解る反応であった。「図書館は使える場所だ」ということが実感されるのは、その場に足を運んでみないと解らないのだ。日本の「ブックスタート」が、子育て支援に終始しているという批判が生まれるのもすこし理解できた。本場のイングランドでは、「ブックスタート」と「図書館」には緊密な関係が作られているということである。

*Comment

NoTitle 

こんにちは。すごく情景がよくわかる気がしました。今、下の子が、以前にいただいた『りんごです』を喜んで読んで?います。「ですっ ですっ ですっ (……) いったーきまーすっ」てな感じに(笑)

図書館も、地域の中でもっと足を運ばれる魅力的な場になるといいですね。といっても、私も地元図書館は本は借りに行きますがおはなし会などはちょっと遠慮しています。以前に行ったときには、スペースに対して子どもが多すぎるような(小さい子には肝心の絵が見えない)、数冊の絵本読みでしたが冗長な印象がありました。
  • posted by 鈴木宏枝 
  • URL 
  • 2007.10/26 11:32分 
  • [Edit]

NoTitle 

こんにちは。
年に数回、2歳児健診時に10分程度のおはなし会を頼まれるのですが、その時、お母さんたちに絵本との付き合い方をうまく話せるといいのだけれど・・・と、いつも困っていました。
今後は、このわしこさんのご意見を参考にさせていただきます。ありがとうございます^^。

  • posted by 森クマ 
  • URL 
  • 2007.10/26 20:28分 
  • [Edit]

NoTitle 

宏枝さま:お久しぶりです。お元気そうで何よりです。私は相変わらず「あたふた」していますが…。まだ、顔も見たことのないTくんが、『りんごです』をたのしむようになったのですか。うーん、歳をとるわけだ。「絵本読みのつれづれ」楽しみにしています。

森クマさま:おはようございます。何か参考になることがあって、よかったです。また、森クマさんのご意見や実践もお聞かせください。
  • posted by わしこ 
  • URL 
  • 2007.10/27 06:43分 
  • [Edit]

NoTitle 

>もっとも大切なのは「愛情ある身近なおとな(おかあさん)の声と言葉」であること。

ここの文、すっごく納得しました。
あたしには3歳の姪と1歳の甥がいますが、
母親ならずとも親戚関係なので、
彼らの一挙一動の愛らしさから、あたしは幸福な気分になり、彼らを愛しく思うんです。
そうなれば、彼らに対して愛情ある言葉や態度が生まれ、
「絵本」や「読み聞かせ」を通して彼らに伝えられると思うんです。
「あたしはあなたたちがかわいくて仕方ないよー!!」って 笑。
もちろん、ギュッて抱きしめたり直接的な行為でも伝えられますが。

手段はどうであれ、愛情を伝えてゆく事が、
彼らの心の育成に大きく影響を与えるんですよね!
愛情を持って接せられた子は幸福な気持ちがいつまでも心に残って、
精神的に安定するんじゃないかな。
誰だって、誰かに愛されたら嬉しいもの 笑。

いや〜真面目に語っちゃいました。
  • posted by ふさよ 
  • URL 
  • 2007.10/31 10:16分 
  • [Edit]

NoTitle 

おひさしぶりです。読み聞かせお疲れさまです。
今、うちの図書館では、読書週間に合わせ、10/27〜11/29まで「生涯読書」と題して、世代別に本を選び、展示しています。ブックスタート用に10冊、幼児用10冊、小学1,2年5冊、小学3,4年5冊、小学5,6年5冊、中高生20冊、一般成人用30冊とコーナー分けした展示図書に、ブックスタート・ヤングアダルト・生涯学習について意味、当館の取り組みを簡単に書いたものを添えて展示してます。
小さな展示コーナーでは、読書クイズしてます。昨年までは、パネルに問題を貼って、前に置いた机の上に答えが書いてある本を並べてたのですが、調べ学習につながればと、小中学生対象に問題とヒントを書いたもの、簡単な分類表をはり、書棚から本を探し、回答してもらおうと臨時職員とつくりました。全問正解者には図書カードを送るのですが、日曜に私が、声をかけた姉妹しか応募してません。探すのがめんどくさいのかな〜近くの学校の先生に声かけてもらおうかと考えてます。
  • posted by pipi 
  • URL 
  • 2007.10/31 21:05分 
  • [Edit]

NoTitle 

すごく様子が伝わってきました。

小さい子に最近読み聞かせをしていないのです。(機会もないし、子どもは大きくなるし)
言葉と出会う大切な時期に、大人が提供しなかったらいろんな言葉と出会うことすらないじゃないですかね。
言葉の豊かさ、心地よさはちいさいときに体験した方がいいと自分の子どもを見て思います。(私はあまり熱心にしませんでした。)

図書館っていうと硬いイメージなんでしょうか。捉え方を換えると言葉の泉だと思うんですが。
どこかに出かけたり、肌を触れ合うだけがスキンシップじゃなし、言葉のキャッチボールや言葉のふれあいもスキンシップなんですけどね〜。
その道具がそろっているのが図書館なのに。
あ〜、もったいない。
  • posted by てぃんく☆ 
  • URL 
  • 2007.10/31 23:28分 
  • [Edit]

 

コメントありがとうございます。愛情ある言葉をたくさんかけてあげてくださいね。「愛」は減るものではないし、出し惜しみをしないで、自分の子どもだけでなく、甥や姪、図書館の利用者、学生にたっぷりかけてあげたいものです。夫にも。

ふさよさん:ところで、駅前留学大丈夫ですか?
  • posted by わしこ 
  • URL 
  • 2007.11/01 06:31分 
  • [Edit]

出会いに感謝 

縁あつてわしこさんに、出会い絵本についていろいろなお話を聞かせていただきました。
読み聞かせでは、私にはわからない言葉にみんな大喜び!こんな機会がなければ大人目線で、きっと私は絵本を選び二歳の娘にそれすらろくに読み聞かせていなかったとおもいます。
また、何年かぶりの図書館に足を運んで娘にも図書館デビューさせ活用したいと思います。
  • posted by もなママ 
  • URL 
  • 2007.11/06 17:17分 
  • [Edit]

 

もなままさん:さっそくありがとうございます。おもしろい絵本があったらまたお知らせしますね。ちょっと遠いけれど、図書館にも行ってみてください。これからもよろしくお願いします。
  • posted by わしこ 
  • URL 
  • 2007.11/07 07:41分 
  • [Edit]

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

*Trackback

トラックバックURL
http://washiko.blog5.fc2.com/tb.php/300-10fd265d

Menu

プロフィール

  • Author:わしこ
  • 無断転載ご遠慮ください。

最近の記事

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索