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『日本の童話名作選昭和編』

『日本の童話名作選昭和編』(講談社文芸文庫)を読みすすめる。

宮澤賢治の「グスコーブドリの伝記」は、農業従事者としての賢治の姿がブドリに重なってくる。フェアリー・テイル的でありながらも、リアルに社会が投影されている。この作品は、賢治の死の前年に雑誌に発表されたものらしい。千葉幹夫氏の解説には「饑饉や津波など災害の続く東北で、科学と宗教、自然との闘いなど賢治童話の集大成という趣があり、いわば、かくありたかったというフィクションとしての『賢治自身の伝記』とも読める」とあり、大いにうなずく。

「あすこの田はねえ」「もうはたらくな」という詩ともシンクロし、賢治の心からの願いや祈りに思いがゆく。やっぱり、賢治は好き。

この『日本の童話名作選』には「大造爺さんと雁」(椋鳩十)、「おじいさんのランプ」(新美南吉)、「坂道」(壺井栄)などなど、佳品がそろっている。

「大造爺さんと雁」の初出は、昭和16年『少年倶楽部』だそうだ。時代を感じさせないすぐれた作品。小学校のころに椋鳩十をワクワクしながら読んだことを思い出す。

やはり、小学校のころ読んだ記憶のある「坂道」は、たぶん肝心の所が読めていなかったかも知れない(「差別」に怒った覚えはあるが、非常に理念的な怒りだったと思う)。

ここで、告白すると、「坂道」で一番印象に残っているのは、だまされて、失望して道子の家に帰ってきた堂本さんに、お母さんが白米を炊いて卵ご飯をふるまう場面。今でも私は卵かけご飯には愛着がある。

あの場面は、道子たち家族のまずしいながらも精一杯の思いやりが象徴的に現れているんだろうな。アツアツご飯のぬくもりが道子の母さんのやさしさや「くず屋であろうが何であろうが、わたしたちはちゃんと生きているんだ」という心意気が伝わる。

しかし、講談社文芸文庫は高すぎる。

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