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『The Funny Little Woman』を読む

The Funny Little Womanは、日本の昔話(「魔法のしゃもじ」系のお話)に題材をとったハーン(小泉八雲)の再話をもとにして作られた絵本である。

表紙は、巨大な灯籠のような建物に「笑うおばさんが」立っているのだが、このおばさんよく見ると、頭に「かんざし」をさしている。しかし、このかんざし、どう見ても「箸」にしか見えないのである。また、お地蔵さん、鬼、家の描き方など、「異界」が表現されていることを前提にしても、日本人の私たちからしたら、違和感を持たないわけにはいかない。この絵本は、1973年度のコルデコット賞を受賞し、現在でも入手できる。また、アマゾンJPからは、かなり大きな画像も見られる。

先日、この絵本を異文化表象の例として、受講者のみなさんにお見せした。自国の文化が、よそでどう描かれているのかを知り、当該文化に属する私たちがどう感じるかによって、異文化表象をどう捉えるか、考えるのかのとっかかりにしたかったからだ。

つまり、『シナの五にんきょうだい』や『ちびくろさんぼ』について、当該文化に属している人の気持ちを、私たちがThe Funny Little Womanに触れることで、「擬似体験」できるのではないかと考えたからだ(『ちびくろさんぼ』については、アフリカ系の人びとの気持ち)。体験は無理だとしても、相手の立場に立って、相手の気持ちを「想像」することはできる。絵本を見た受講生のなかからは、驚きだけでなく、不快感を表明した者もいた。「こんなふうに日本が表象されるのは嫌だ」「日本を正しく表現していない」などなど。

「着物の着方がだらしがない」「家には扉がなく小屋みたい」などの絵画的な表象だけでなく、主人公が”Tee-he-he-he”と笑うのも、私はなんだか嫌だった。

しかし、日本文化に属さない人にとっては、「小さい頃楽しく読んだ本がまだ手に入ってうれしい」「笑いで、困難な状況をのりきってゆく物語がすばらしい」「絵がかわいい(cute)」「アジア文化へのよい導入になる」「神秘的な要素がある」などの感想を持つのである(amazonのカスタマー・レビューから。14あるレビューのなかで日本文化を正確に表現していないと書いていたのは一人だけであった)。

ここまでくれば、あるべき一つの回答がみえてこないだろうか? 

ところで、私はこの物語を「笑いで困難をのりきる」話であるとは読めていなかった。「そういう話なのか」と理解したのは、カスタマー・レビューを読んだからだ。私は、絵本に描かれている一つ一つがひっかかり、物語を楽しむどころか、「読む」ことさえできなかったのである。ここに示唆されていることも大きく大切な問題である。

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