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図書館と図書館員(2)

つっこみどころは満載でも、しかし、いくつかの大事な情報はある。アメリカでは図書館員のほとんどは、白人女性として描かれていて、マイノリティや男性は少ないこと。また、図書館員のイメジは、世話好きで親切、つねに利用者の役に立ちたいと思っている人として書かれている。イメジであるから、現実とのギャップはあるかもしれないだろうが。

笑ってしまうのは、このようによいイメジで図書館員が書かれるのは、「本」を買うのは図書館員だからで(悪口を書いたら、図書館に入れてもらえない? しかし、あまりにもナイーヴなご意見)、また、作家はふつうの人より図書館や図書館員に接することが多く、彼らをよりよく理解できるからだし、図書館員自身がこのような本を書いているからだという。これらは、すべて彼女の意見ではないが、こういったものを紹介するあたり、彼女のスタンスも解る。

通時的に見てくると、仕事の内容はほとんど変化していないが(レファレンス、読書相談、ストーリーテリング、貸出業務、選書、受入業務、目録作成など)、かつては(1945年頃まで)「よい本を利用者にわたす役割を果たしていた」図書館員像が、「利用者が楽しむことができる本を探す手伝いをする」図書館員像に変わってきているという。なるほど。また、仕事の内容は変わらなくても、業務を支えるテクノロジーが大きく変化したので、新しいテクノロジーを使いこなす図書館員像が生まれたという。なるほど。

検証した35冊のうち、タイトルに「図書館」とついている作品でも、「図書館員」について言及しているものはたった4冊だけだという事実から、一般的に利用者に奉仕する人間よりも、図書館にある資料がより重視されているのではないかという認識が示されている。

しかし、『ビーザスといたずらラモーナ』を読むと、ビーザスが自分のよく行く図書館の児童図書館員を心から慕い、信頼しているエピソードが書かれているのだが、残念ながら彼女の検証した35冊には入っていないし、私の絵本コレクションにある図書館を舞台にした作品も一冊として検証されていなかった。

日本の子どもの本のことはあまり詳しくないので、明言はできないが、やはり、アメリカの絵本や物語で図書館や図書館員が出てくるのは、日本に比べて圧倒的に多いように思う。図書館や博物館は、宇宙的な空間と時間を包括しているから、ファンタジーの舞台にもなりやすいだろう。

最近翻訳された『としょかんライオン』に登場する図書館の館長、ミス・メリーウエザーは、この論文で検証された典型的で古典的な図書館員が一ひねりされていて面白い。女性が館長で、男性が「ヒラ」というのは、PCか。

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