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清水眞砂子『幸福に驚く力』

清水眞砂子さんの『幸福に驚く力』(かもがわ出版)を読む。ここ10年間にわたる講演をまとめたもの。一部『子どもの本とは何か』(かわさき市民アカデミー講座ブックレット)として出版されているものと重複しているが、読み応えのある講演録だ。

「橋をかける女たち」で彼女は、ミープ・ヒースという女性の話をする。ミープ・ヒースは二年間にわたりアンネ・フランクたちを匿った人である。「命と引き換えの状況のなかで、なぜミープ・ヒースは[アンネたちを]匿おうとしたのか」という疑問を解きほぐしながら、ミープ・ヒースに連なる人びとのネットワークがあったからこそ、アンネたちは生きのびることができたのではないかという。

ミープ・ヒースから始まった話はさらに、「橋をかける」ことの意味を探り、その豊かさを実例でもって示してゆく。そして私たちに「空間や時間を越えて、橋が架けられる」ようになることを求めて終わっている。「そういうところにさしかかっている」と、無名の市民である私たちの価値を励ましてくれているような気がした。「橋をかけること」の意義は、斎藤惇夫さんいうところの「リスポンスビリティ」(『現在、子どもたちが求めているもの』キッズメイト)とも共振しているように思われた。

清水さんのまなざしの鋭さが随所に出てくる講演録であるとともに(「本はめがね」という捉え方など)、基本的なところは頑固なまでに変わらず持ち続けていることにもある感慨を持った。また、最近彼女は、少しずつご自身の若いころのことも語りはじめているが、これも興味深い。

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