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児童文学作品の映画化について

<ゲド戦記>の封切りまであと一月となり(7月29日公開)、試写会のお知らせがMOE誌7月号に載っていた。そのおりもおり、ALA(アメリカ図書館協会)の児童サービス部門の機関誌Child-ren and Libraries誌で、"See the Movie, Read the Book" という記事を読んだ。子どもたちは、その作品が好きだから、映画を見るのだろうか?という問題提起のもと、アメリカにおける子どもの本の映画化状況を報告している。映画化された子どもの文学作品は、まず、異常ともいえる売れ行きを示しているという(これは日本でも同じだ)。

たとえば、2001年に「ロードオブザリング」(このセンスのない邦訳タイトルは何とかならないものだろうか)が公開されると、The Hobbit(『ホビットの冒険』)は、いままでで最高の売り上げを示したという(約200万冊)。しかし、映画の公開が終わると、その人気は急速におちているらしい。この状況をふまえて、図書館でどのようなサービスをすべきなのか、というのがこの記事の眼目であった。図書館としては、このような好機を逃がさず、ブックトークや図書館の展示などで、作品そのものや関連作品の読書を推進していくべきだという、誰もが納得する平凡な結論に落ち着いた。

気になるのは、この記事では、「こどもたちの読書生活」「読書の質」に関する言及がほとんどなく、映画化を最大限に利用しようという戦略を提唱していたことである。つまり、「映画が先か、作品が先か」というジレンマや悩みはほとんど読みとれなかった。むしろ、映画は映画で楽しんでも、実は、子どもたちは「本の方を好む」という、若干の実例をもとにした認識があることに驚いた。確かにこの認識は、ある意味正しい。

The Horn Book Magazine誌に掲載されたテリー・バトラーの"Books to Film"にも目を通したが、ここにも「児童文学作品の映像化」に対して、「子どもの読書生活」という側面から、「読書」を根本的に議論するという視点は見えなかった。彼らは、「本は本、映画は映画」と冷静に受けとめているようだ。自作が映像化され、その作品世界がそこなわれて扱われた作家たちも、淡々としているような印象を受けた。

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