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児童書すべてそろえます!

神奈川県大和市の図書館が550万円をかけて、出版一年以内の児童書をすべてそろえるという新聞記事を読んだ。ただし、再刊、新装版、漫画、学習参考書、ゲーム攻略本などは除かれるという。その数は、約3000点だそうだ(「asahi.com 神奈川」から)。子どもの本をたくさん購入することで、選択の幅を広げ、読書のよろこびを見つけてほしいとのねらいがあるらしい。

「児童書すべて」を購入しても、子どもたちの「読書ばなれ」を阻止することができるのかどうか、私にはよくわからないが、失礼ながら、あまりのナイーブな発想にびっくりしてしまった。また、この事業は、今年度のみとのことで、来年度以降も継続するかどうかは未定だという。一年だけの、一回性の事業になる可能性もある。いったいこの図書館の蔵書構築はどのような理念のもとに行われているのだろうか。また、来年度以降もこの事業を続けるとしたら、図書館のスペースが問題になってくるのは必至だろう。

児童図書館員の役割は、大きく三つある。①すぐれた本を選ぶこと②利用者を求めて行動すること③読書のよろこびをさまざまな手段で伝えること、である。これは、リリアン・スミスの時代から変わることのない基本中の基本である。「選書」の放棄は、児童図書館員の質を下げることにもなり、結果的には、図書館の価値をそこなってしまいかねない、と思う。図書館が購入する本の予算を増やすというのは、たいへんわかりやすいアピールの仕方だ。「ああ、よくやっている」と納税者(市民)からも評価されることであろう。しかし、それでよいのだろうか。

「児童サービス論」を学ぶ学生をみていて、気になることがある。「資格」を取ることにのみ目がゆき、子どもの本を心から楽しんでいない。それどころか、読書の習慣すらない学生もいる。ごく軽いハウツー本や情報本を読むことが「読書」だと勘違いしている学生もいる。骨太で歯ごたえのある作品が読めなくて、ギブ・アップしてきた学生もいた。こういった学生には、未来を担う子どもたちの読書生活をまかせるわけにはいかない。

税金の使い道はいろいろあるだろう。いつも財政不足で買いたい本も買えない図書館にとっては、「おとな買い」の「全部買い」はうれしいことかもしれない。でも、私には、それは図書館員の役割を放棄しているようにしかみえない。子どもの本のプロである児童図書館員を増やしたり、再教育するためにもお金を使ってほしい。

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駄作を読んでる暇はない

私の県でも数年前から県立図書館が出版されたすべての絵本と児童書を購入されています。

しかしそれは市町村立図書館、学校図書館の選書のための手段でリリアン・スミスの思想を汲んでのことです。と、申しますのも、絵本や児童書を蔵書として購入する際、カタログやネットなどで安易に選ぶのではなく、実際に手にとって選書してもらう意味での「新刊全部購入」なのです。ですから、選定用図書として1年以内のものは個人貸出しができません。(複本はOK)

私の館(町立図書館)は先週まで2週間「新刊見本展示(巡回展)」を行ないました。県立図書館から昨年の11月12月に出版された児童書と絵本すべての巡回展示です。巡回展に合わせ町内の小学校司書教諭の図書館協議会をもち、先生方に選書の参考としていただくと同時に、県立図書館の児童サービス担当司書が会に参加し、選書に対する姿勢等のおはなしをされました。

その時、リリアン・スミスの言葉より「 子ども時代は短い。だから駄作を読んでいる暇はない。」(だっかでしょうか。ウロ覚えです)を引用されました。

ですから、県立図書館も図書館員の役割の放棄というわけでもないと思います。

でも

上のコメントを入れさせてもらった後、よくよく考えたら、市町村立図書館も学校も選書時には書店から見計らい本を頼めばいいわけで、となると、県立の「新刊全部購入」の意味がなくなるような・・・。

No title

先日、業者が見計らいの本を提供できなくなると営業担当が相談してきました。他の図書館は、見計らいをしていない、この機会にやめるところも多いそう。図書館の職員も児童書を読んでから選定することが難しくなってきています。見計らいに来る本の中にはこれはいらないと思う本もあるのですが、見計らいに来た本はなるべく買ってあげないと、業者の損失が大きいそうです。本館は全部買いをして、その中でよい本は、分館や複本用に増やせれば理想ですが・・・

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