わしこの読書日記

子どもの本や絵本について研究しているわしこの読書日記と身辺雑記。

『まるごとおいしい幸福のつくりかた』を読む

村中李衣さんの新しいエッセイ集『まるごとおいしい幸福のつくりかた』(クレヨンハウス)を読んだ。『月刊クーヨン』に連載されていたものをまとめたものだそう。雑誌連載中も、ときどき品川のくまざわ書店で立ち読みしたものだが、こうしてまとまってみると、李衣さんの日常生活に向けるまなざしの「軸」がよく見えてくる。日常の「気づき」を大事にして、そこに鋭いまなざしを向け、意味を見つけ、自分やまわりを問い直そうとい...

『When My Name Was Keoko』を読む

ヤヤーさんのブログ「おかめはちもく。」で紹介されていた、『木槿の咲く庭:スンヒィとテヨルの物語』(リンダ・スー・パーク/新潮社)の原書When My Name Was Keokoを読んだ。1940年、日本統治下にある朝鮮では、「創氏改名」が推し進められようとしていた。すでに、公の場では朝鮮語を使うことは許されず、学校では日本語の読み書きが教えられていた。この作品は、10歳の少女スンヒィ(キヨコ)と13歳の少年テヨル(ノブオ)の...

図書館の書誌情報

かつて図書館は、自分たちの書誌情報をそれぞれ独自の「目録」として所有していた。コンピュータの出現によって、書誌データを共有するという発想が生まれ、目録作業が一気に機械化され、集中化された。世界最大の書誌ユーティリティであるOCLCは、現在7000万の書誌データを有し、世界の教育機関、図書館に提供している。そのOCLCと日本で代理店契約を結んでいる紀伊國屋書店とのパートーナーシップ20周年を記念しての講演会が開か...

キムタクかツヨシか

「キムタクを選ぶ女の単純を生きられなくてツヨシを選ぶ」という短歌を俵万智の『百人一酒』のなかの「文庫版のためのあとがき」で見つけて、気になっていた。「わかる」というか、ちょっと核心つかれたな、という気がしたのも事実。キムタクがなかなかに好きだから、「うーーん、単純か、私」って自分につっこんだ。夫にいわせると、私の好みは「わかりやすい」のだそうだ。授業などで何かの拍子に「拓ちゃん」なんていうと、必ず...

Gedo Senki ル=グインのHPより

ル=グインの公式HPに映画『ゲド戦記』の感想がアップされた。彼女がこの感想を書いたのは、アメリカでのちいさなプレミア試写会のあと吾郎監督に求められた感想の一部が、彼のブログで公にされたことが原因らしい。しかも、吾朗監督は自分に引きよせる形で「都合よく」彼女の言葉を紹介したのである。"Did you like the movie?"と問われて、彼女は次のように答えたという。Yes. It's not my book. It is your movie. It is a good...

女3人オール!

久々に集まった3人。まさか、オール・ナイトになってしまうとは、、、。私は途中、意識のない時間がありました。一番の若手も途中少しおやすみしました。少しずつ夜があけて、ブルーがうすくなってゆくのを久しぶりに見ました。学生時代以来かも、、、。<本日のメニュー>には、食べ物の他に<過激爆裂トーク!>がついていました。●アボカド・ワカモーレソース/クラッカー●キュウリの和風サラダ●自家製つみれ汁●明太子スパゲッ...

「語りの二つの流れ」イギリスの場合(2)

「語り」が衰退してきた原因には、「活字文化」が台頭してきたことも大きい。ハイテク時代における、「語りのリバイバル」とはどのようなことを意味するのか、「リバイバル」が真の意味で「リバイバル」になっているのか、ベンは続ける。「語り」とはその一瞬に存在する芸術である、と彼はいう。つまり「瞬間芸術」なのだ。お話を「語り手」と「聴き手」がわかちあう生の空間こそが「ストーリーテリング」である。彼はそれを「ジャ...

「語りの二つの流れ」イギリスの場合 (1)

櫻井先生と急遽、Ben Haggartyの"Seek out the Vioce of the Critical"という評論を一緒に読むことになった。ベンは、プロの語り手たちの団体「クリック・クラック・クラブ」の主催者である(『語りの世界』41号より)。この評論は、1995年に発表されて以来、何回か加筆され、今夏、カナダの語りの雑誌Appleseed Quartely Summerに再度掲載されたものである。彼は、1981年以来、英国(「ブリテン島における」)のストーリーテリン...

正夢か?

バレエの発表会には新しいシューズでのぞむようにと、先生のアドヴァイスを受けた。なぜかそのことが引っかかっていたのだろう、「夢」を見てしまった。発表会当日、バレエシューズを買い忘れてしまい、急いで「チャコット」(のつもりだが、お店の感じは、「赤い靴」風だった。しかし、ここには一度しかいったことないのに)に走るのだが、どうしてもバレーシューズを手に入れることができない夢だった。さらに、その夢を見ながら...

ライブラリー・チェア

先日映画の帰りに見つけたライブラリー・チェアが配達されてきた。オーク材でできているそうだ。本棚が高いので、3段の梯子を使っているのだが、それが無骨でとても嫌だった。ライブラリー・チェアとかライブラリー・ステップとか呼ばれる「椅子が梯子になる」ものをずっと欲しいと思っていたのです。でも、高い! 通販のカタログでは4万円近くしていて(こちらはアッシュ材)、しかも配送料もかなりのお値段だった。あきらめき...

異議申し立て

「何か」について、「誰か」について異議申し立てすることは、大事なことだと思う。しかし、この「申し立て」が匿名でなされることがある。これがひどいのである。もらった人は、「ずずん」と傷つく。じつは、いま、また非常に「不愉快」な匿名のコメントの存在を知った。このような非難は、具体的なことが書かれていないのが特徴だ。曰く「ヒステリックなコメント」とおっしゃっているのだが、具体的に「××××」と、私のコメントを...

『モギ:ちいさな焼きもの師』

2002年度のニューベリー賞受賞作品、リンダ・スー・パークの『モギ:小さな焼きもの師』(あすなろ書房)を読んだ。12世紀後半、韓国西海岸の焼き物で名高い小さな村の橋の下にトゥルミじいさんと暮らすモギ少年の話だ。村の家々のゴミ捨て場をあさってまで食べ物を調達しなくてはならないほど貧乏な暮らしをしている二人だが、「盗みと物乞いはしちゃならぬ」(p.8)と誇り高く暮らしている。モギは村の焼き物師ミンの仕事が気に...

映画『ゲド戦記』<ネタバレ>

重い腰をあげて、映画『ゲド戦記』を鑑賞してきた。評判が今ひとつなのは承知の上で、それでも、宮崎吾朗が、あるいは、スタジオ・ジブリがル=グインの<ゲド戦記>シリーズをどう読んだのかを知りたかったからだ。結論を急ぐと、残念ながら、彼らには<ゲド戦記>は読めていなかった、ということだ。<ゲド戦記>の転換点となった『帰還』の主人公であるテルーを登場させたにもかかわらず、彼女の存在意義をまったく理解していな...

夏休みだ!

授業は7月に終わっていたのだが、レポートの採点と成績づけが終了していなかったので、私的には「夏休み!」には突入していなかった。しかし、昨日ようやく成績を送って、一段落した。E=ラーニングの大学は、これから試験だし、レポートも添削もまだまだあるけど、とりあえず、ほっとしている。人形物語についての原稿も終了し、秋からの授業のネタも増えて、うれし。岩波書店の雑誌『文学』の7,8月号が「ファンタジーの世界...

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